「シンだら最初からだからなぁ…」
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人が忽然と姿を消す。こういった場合、大抵は事件性のある人為的なものが原因である。
しかし、いくら調べても何の糸口すら掴めず、”神隠し”としか言えないような事件も存在する。
そういった超常現象を専門とし、調査する民間団体、Paranormal Investigations Consortium 通称”PIC”。
デスペルホテル 1028号室。
この客室に泊まった宿泊客が忽然と姿を消すという噂がネット上で広まっている。
その報告件数の多さから事件性のあるものとして警察も動き出し、捜査を行ったが何も見つけることはできなかった。
置きっぱなしの荷物や、食べかけの食事、まるでその場から一瞬で消え去ったかのような現場だったらしい。
何の手掛かりもないように思えるが、我々にはこういった超常現象に対する専門的な知識や経験がある。
だからこそ言い切れることがある。
それは、”超常現象には必ずトリガーが存在している”ということだ。
失踪した日時とその状況を詳しく調べていくと、ある規則性があることが分かった。
それは、ホテルのイベントホールでナイトウェディングが行われており、その際にバッハの名曲”G線上のアリア”が演奏されていたことだ。
そこで、2名の調査員を送り、同じ条件でその部屋に泊まってもらった。
その後、調査員が持ち帰ったビデオログには驚くべきものが映っていた。
眠りについていた調査員が一瞬にして消えたのだ。
起きて作業をしていた調査員には何の変化もなかった。
この部屋は本来シングルルームで定員が1名のため、観測者がいなかったというのがこの現象の詳細が不明であった理由なのだろう。
様々な方面でその部屋を調べていくと、調査員が消えた時と同条件の時のみ、磁極が狂う、重力がやや弱まる、などの異常を検知した。
これらを解析し、扱えるテクノロジーとして製品化することが我々にとって最も重要な仕事である。
調査員が消えた1週間後
救出に向けて現象の解析を進めていると、なんと調査員が帰還したとの報告が入ってきた。
そして、どこへ行き、どうやって帰ってきたのかを問うとこう語った。
“そこはホテルのようでホテルではない別のどこかだった。
エレベーターと通路、開かない客室、それと奇妙な出来事。
死んだと思ったら1028号室で目覚めるんだ。
最初はどうすれば良いのか分からなかったが、ある法則性に気づいたんだ。
それは最初の階から変化した、特定の物の数をエレベーターに入力すると下の階へ進むということだ。
間違いの数を入力して下の階へ降りていき、ようやく1階へとたどり着くと、眩い光に包まれて・・・。
気が付くと外へ出ていたんだ。”
この事件から今年で10年目になる。
オカルト好きな私にとって、この事件はとても強烈なものだった。
その後、解析が進みこの現象の危険性は極めて低いことが分かった。
行方不明となっていた者も長くても2週間ほどで発見された。
今ではデスペルホテル1028号室は唯一無二のアトラクションとなっている。
ホテル側はPICへの全面的な協力を、PIC側はホテルへの技術提供とアトラクションとしての安全確保を約束し両者は良好な関係を築いている。
何年も予約でいっぱいだったが、ついに今日、自分の番が来たのだ。
鼓動が高鳴り、思考が絡みあってしまって、思うように身体が動かない。
それでもどうにか支度を済ませ、家を出る。
向かう先は勿論デスペルホテル1028号室だ。
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